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あちこちの海産品(Seaography)

Geography「地理」のGe-をSeaに、すげ変えただけの造語なのだが、いかにもありそうに思える。
拙訳は造語とは言えないが「海産物」「特産品」の合成語と見てほしい。


拙訳は日本の学校の初等教育を意識しつつ、なるたけ原語と同趣旨のシャレをと頭をひねったものだったが、ここは「……学」という形の訳語のほうがふさわしいと思える根拠もある。
ヴィクトリア期(をはさむ前後の時代)には多くの新たな学問が誕生しているのだ。例えばメルヴィン・ブラッグ『英語の冒険』(三川基好訳、アーティストハウスパブリッシャーズ/角川書店、2004.)18章「蒸気機関、街路、そしてスラング」では次のように言う。
これらの学問の発展、細分化にともない、それぞれの分野で新語も急増したのである(メルヴィン・ブラッグは、そうした新語の創造に際して、ラテン語・ギリシア語の語彙が使われたことや、接頭辞・接尾辞の操作によるものが多いことを指摘している)。

私がここで主張したいのは、別段キャロルがこの風潮をからかったとかいうのではなく、ただキャロルの言葉遊戯が その時代の言語感覚とシンクロしたものだった、ということだ。
もちろん「海理学」等の訳で、読者が何かの含蓄を感じてくれるとも期待できないのだが。