おでこに1本、指をあてていた(シェイクスピアの肖像で、よく見かけるポーズだよ)。
(with one finger pressed upon its forehead (the position in which you usually see Shakespeare,in the pictures of him),)
額に指を立てているシェイクスピアの絵などは一般に知られてない。
岩崎民平の注釈書には“彼が故郷 Stratford-on-Avon の家の庭で窓により指を額にあてながら想を練る図などよくあります。”と述べているが、寡聞にしてそういうものは見たことがない。ご存知の方があれば、ご一報ください。
額に手の平を当てている図なら知っているが、これはシェイクスピアを描いたものとは断定されていない。
ただ、どちらにしろ日本人に非常になじみのある顔というわけでもないので、翻訳においては、あまり頓着しなくてよいが、
うえさきひろこ訳(1996.)は、この箇所を次のように切り抜けている。
演劇好きのキャロルは、シェイクスピアのファンだった。
安井泉によると、キャロルは“一八五五年から一八九二年までに四十回以上にわたってシェイクスピアの劇を見ています。
また自分の吃音が少しでも矯正されるようにと、一八六〇年、シェイクスピアの一場面を毎日朗読することを始め、これを長年続けた”という。
さらにキャロルは『少女のためのシェイクスピア』を編もうと計画したが、これは実現しなかった。
〔安井泉編著『ルイス・キャロル ハンドブック アリスの不思議な世界』七つ森書館、2013.、「キャロルとシェイクスピア劇」34頁〕
(最終更新 2014年 5月13日)