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その部屋には、あっちもこっちもドアがあったけど、みんなカギがかかってる。――
(There were doors all round the hall,but they were all locked;)

脇明子は 『少女たちの19世紀 ―人魚姫からアリスまで』(岩波書店、2013.)に、次のような類例を挙げている。

「青ひげ」や「フィッチャーの鳥」では、最後に禁じられたドアを開けると、血みどろの死体がある。
『ジェイン・エア』 は「青ひげ」を踏襲し、“部屋のひとつに屋敷の主人ロチェスター氏の気の狂った妻が幽閉されていた”。
『アリス』は、“見てはならないと言われた座敷に、梅の花が咲いて鶯が鳴いている”「見るなの座敷」 にパターンが似ているかも知れない。

(最終更新 2014年1月27日)