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「では、有罪か無罪かの評決にかかれ」王さまが、これを口にするのは、この日、およそ20回目だ。
「いかん、いかん!」と王妃さま。「まずは死刑の判決じゃ。……評決なんぞ、あとまわし」
「ばかばかしいにも、ほどがあるわ!」アリスが声をはりあげた。「判決を先にするなんて!」
(“Let the jury consider their verdict,”the King said,for about the twentieth time that day.
 “No,no!”said the Queen. “Sentence first ― verdict afterwards.”
 “Stuff and nonsense!”said Alice loudly. “The idea of having the sentence first!”)

verdict 「評決」は、陪審員による有罪か無罪かの宣告(答申)。
sentence 「判決」は、裁判官による刑の宣告。

アリスが “Stuff and nonsense!”だけ切り離して発言したのは、強意のため。
『地下の国のアリス』では、アリスが “Nonsense!”と叫んだために、everybody jumped,「皆が飛び上がった」ほど。


『地下の国』での王妃のセリフは “first the sentence,and then the evidence!”「判決が先、証拠は後」だった。

『鏡の国』では、白の王妃の話によると、最初に牢屋に入って刑罰を受け、次に裁判、最後に犯罪が起こるという順序 (5章)。