『鏡の国』邦訳書誌
薄字の部分については現物未確認で、二次情報による記載です。
長谷川天溪
(天溪居士)訳
〈鏡世界
(西洋お伽噺)
〉
、《少年世界》 博文館、1899(明32).4.15.(五巻九号)〜12.15.(二六号)
→《少年世界》復刻、名著普及会、1990〜91.
→川戸道昭、榊原貴教 編 〈明治翻訳文学全集《新聞雑誌編》〉 11 『サッカレー/キャロル集』大空社、1999.
→『The Rabbit Hole』−
「オンライン復刻『鏡世界』」
イラストはテニエルの模刻。原典の7章までの、かなり自由な翻案。 ラストは鬼に捕まった“
美
(
みい
)
ちゃん”が池に投げ込まれて、眼が覚める。
L・キャロル 「Through the Looking-Glass」、《英語世界》1901(明治34).6.21.増刊
楠山
(
くすやま
)
正雄
訳
ルイス・カロル
『不思議の國』
家庭讀物刊行會(精華書院)〈世界少年文學名作集〉第9巻、1920(大9).3.
→千森幹子 編・解説 『不思議の国のアリス〜明治・大正・昭和初期邦訳本復刻集成』エディション・シナプス、2009.2.
テニエル
画。 第二部
「鏡のうら」
は初の『鏡の国』の全訳。
→
〈国立国会図書館デジタルコレクション〉
で全文参照できる(「世界少年文学名作集.第9巻」で表示)。
→
『アリスの夢
不思議の國 鏡のうら
』
平凡社〈世界家庭文學全集〉7、1930.11.
→
〈国立国会図書館デジタルコレクション〉
で全文参照できる。
→ リュイス・カロル、
棟方志功
画
『鏡の國
アリス物語
』
〈春陽堂少年文庫〉85、1933.1.
→ リュイス・キァラル
『ふしぎの国のアリス』
小峰書店、1948.5.1.
「アリスの夢」、「かがみのうら」の合冊版。
→ リュイス キャラル
『かがみの国のアリス』
小峰書店〈青空文庫〉、1948.12.
→
〈国立国会図書館デジタルコレクション〉
で全文参照できる。
〔→ 楠山訳
『不思議の国』
(「戦前期リスト」)〕
西條八十
訳
岡本歸一
画、
〈鏡國めぐり〉
、《金の船》キンノツノ社 、1921(大10).1.(三巻一号)〜12.(一二号)
→《金の船》復刻版、ほるぷ出版、1983.
原典の7章までと10〜12章を、21章に分けて翻案(最終章は“廿二”だが、七章とすべきところを“八、ダムとヂー”と誤っている)。ハンプティダンプティは“丸長飯櫃左衛門(まるながいひびつざゑもん)”。
→『鏡國めぐり外三篇』稻門堂書店〈西條八十童話集〉第一篇、1922.6.
タイトルは扉による。本体背タイトル“鏡國めぐり”、奥付“『西條八十童話集第一篇』”。岡本歸一 装画(挿画なし)。 表題作ほか「魂のつぼ」〔クロフトン・クロオカア『アイルランド民話集』より“The Soul Cages”を翻案〕、「魔法の仮面」「大男ものがたり」「極楽を見た王様の話」〔以上3篇(原文、旧字体)はアンドリュー・ラングの『世界童話集』より〕。
→『不思議の國』二葉書店〈少年少女讀物〉
1
、1946.1.
題は『不思議』だが、内容は『鏡』。挿画なし。
→〈西條八十全集〉第十一巻『童話』(国書刊行会、1997.)に「鏡國めぐり」
甫木山 茂
訳
「鏡の國のアリス」
、世界童話大系刊行會 〈世界童話大系〉22『童話劇集(4)』 所収、1928.4.
→復刻版、名著普及会、1989.
→近代社 『世界童話劇集 下巻』、1930.3.
“ガアステンパアグ作” の戯曲で、『不思議の国』 と 『鏡』 のエピソードを自由に組み合わせている。
小林智賀平
釈注
『姿見の国(Through The Looking-Glass)』
弘道館〈弘道館英文訳註新書〉、1952.
→小林智賀平 訳 『姿見の国』 開文社〈英米文学訳註叢書〉、1959.
抄訳。
岡田
忠軒
(
ただたか
)
訳、テニエル画 『鏡の国のアリス』角川書店〈角川文庫〉CLキ-1-2、1959.10.
カヴァー画 広みさお。
〔→旧版〈角川文庫〉(岩崎民平訳)
『不思議の国』
〕〔→ 岡田訳
『ふしぎの国』
(「60年代リスト」)〕
二反長
(
にたんおさ
)
半
(
なかば
)
編、
若菜珪
画 『かがみの国のアリス』小学館〈幼年世界名作文学全集〉18、1964.1.→〈カラー版幼年世界文学〉17、1969.11.
幼年向けリライト。〈全集〉も〈カラー版〉も全18巻。“子ねこのクロ”がアリスと会話して「ニャン ニャン。もう しません。/かんにんして ちょうだいよう。」などと言う。 トゥィードルダムとトゥィードルディーは“ふとっちょ ちびっちょ”、ハンプティダンプティは“ずんぐり むっつりさん”。 解説 岩崎民平「純真な「空想力」の傑作 ―奇抜な夢物語をつらぬくもの―」。
間所ひさこ
文、
岸田はるみ
画 「かがみの くにの アリス
魔法とふしぎの童話集
」、《たのしい幼稚園》講談社、1969.12.(25巻11号)
3〜6歳児向け。 〔→ 間所
『ふしぎの国』
(「90年代リスト」)〕〔→ 岸田
「ふしぎのくに」
(「70年代リスト」)〕
生野幸吉
(
しょうのこうきち
)
訳、テニエル画 『鏡の国のアリス』福音館書店〈福音館古典童話シリーズ〉9、1972.4.
装丁・辻村益朗。
→〈福音館文庫〉C-19、2005.10.
〔→ 生野訳
『ふしぎの国』
(「70年代リスト」)〕
多田幸蔵
訳 『鏡の国のアリス』〈旺文社文庫〉、1975.11.
付、高山宏「『アリス』 作品の解説と鑑賞」および「代表作品解題」。
〔→ 多田訳 『不思議の国』 (
「戦後期リスト」
・
「70年代リスト」
)〕
原
昌
(
しょう
)
訳、
瀬間
高角
(
たかすみ
)
画 『ふしぎの国のアリス』国土社版〈世界の名作〉4、1977.7. (→新装版、1990.9.)
→
飯野和好
装画、国土社〈世界名作文学集〉、2004.2.
付、「鏡の国のアリス(抄)」(「白の女王様/―「羊毛と水」より―」「ハンプティー・ダンプティー」「ライオンと一角獣」)。
高橋康也
訳 「かつらをかぶったアブ」、《展望》1977.12.号
→高橋康也・沢崎順之助 訳『ルイス・キャロル詩集 ―不思議の国の言葉たち―』筑摩書房、1977.12.
Wasp in a Wig(1974.発見。1977.マクミランから出版)の初訳。
柳瀬尚紀
訳 『かつらをかぶった雀蜂』れんが書房新社、1978.12.
E・ギリアノ「謝辞」、解題・原註 M・ガードナー。付、「キャロル未発表スケッチ」。
芹生
(
せりう
)
一
(
はじめ
)
訳、テニエル画 『鏡の国のアリス』偕成社〈偕成社文庫〉2065、1980.11.
〔→ 芹生訳
『ふしぎの国』
(「80年代リスト」)〕
高山宏
訳
マーチン・ガードナー
注 『鏡の国のアリス』東京図書、1980.10.
Martin Gardner 『The Annotated Alice』(1960. 改訂版1970.)の翻訳。
→
マーティン・ガードナー
注、
ピーター・ニューエル
画 『新注 鏡の国のアリス』東京図書、1994.9.
Martin Gardner 『More Annotated Alice』(1990.)の翻訳。付、「カツラをかぶったスズメバチ」。 〔→ 高山訳
『新注 不思議の国』
(「90年代リスト」)〕
→
佐々木マキ
画 『鏡の国のアリス』亜紀書房、2017.12.
1980版から1994版の本文は部分的改変だが、2017版は文体も含めた全面的改稿。 〔→ 高山訳(佐々木 画)
『不思議の国』
(「10年代リスト」)〕
→
建石
修志
(
しゅうじ
)
画 『
新訳
不思議の国のアリス 鏡の国のアリス』青土社、2019.4.
1994版を微修正した訳文。 〔→
『新訳 不思議の国』
レヴュー〕
→
マーティン・ガードナー
注、
マーク・バースタイン
補訂 『詳注アリス 完全決定版』亜紀書房、2019.12.
『The Annotated Alice 150
TH ANNIVERSARY DELUXE EDITION
』(2015.)の全訳。訳文も再び全面改稿。付、「かつらをかぶった雀蜂」。 〔→
『詳注アリス』
レヴュー〕
石川澄子
訳
『鏡の国のアリス
ルイス・キャロル 人と作品
』八紘社印刷出版局、1982.11.
サブタイトルは巻末評論の題。
→『カラー版 鏡の国のアリス』東京図書、1989.5.
〔→ 石川訳
『不思議の国』
(「80年代リスト」)〕
高杉一郎
訳
テニエル画
『鏡の国のアリス』
〈少年少女講談社文庫〉、1983.9.
→〈講談社文庫〉、1988.8.
→〈講談社青い鳥文庫〉、1994.4. →
山本容子
画、新装版、2010.4.
→
北澤平祐
画 『不思議の国のアリス 鏡の国のアリス』講談社、2022.11.
高杉の旧訳を合本。装丁(中嶋香織)において「鏡の国のアリス」の文字は上下逆転して印字されている。
〔→ 高杉訳
『ふしぎの国』
(「70年代リスト」)〕
山崎 直美 『鏡の国のアリスの算数パズル ―ルイス・キャロル作『鏡の国のアリス』をもとにして―』 さ・え・ら書房、1985.9.
柳瀬尚紀
訳、
佐藤泰生
画 『鏡の国のアリス』筑摩書房〈ちくま文庫〉き3-3、1988.1.
〔→ 柳瀬訳
『不思議の国』
(「80年代リスト」)〕
北村太郎
訳、テニエル画 『鏡の国のアリス』王国社、1990.2.→〈海外ライブラリー〉、1997.12.
〔→ 北村訳
『ふしぎの国』
(「80年代リスト」)〕
矢川澄子
訳
ドゥシャン・カーライ
画『鏡の国のアリス』新潮社、1991.1.
→
金子國義
画、〈新潮文庫〉キ-7-2、1994.10.
解説 「お兄ちゃんのつくり話」 〔→ 矢川訳
『不思議の国』
(「90年代リスト」)〕
吉田
映子
(
あきこ
)
訳詩、内藤
里永子
(
りえこ
)
編 『笑いのコーラス ―イギリス滑稽詩画帖』トパーズプレス、1992.3.
(1章「エビのカドリール」、)3章「ハンプティ・ダンプティの歌」、6章「セイウチと大工」、(8章「気違い庭師の歌」〔『シルヴィーとブルーノ』〕、9章「ねずみのしっぽの詩」、12章「ウィリアムとっつぁん」)。
中山知子
訳、テニエル画 『鏡の国のアリス』岩崎書店〈フォア文庫〉C108、1992.5.
〔→ 中山訳
『ふしぎの国』
(「70年代リスト」)〕
『THROUGH THE LOOKING-GLASS 鏡の国のアリス』講談社インターナショナル〈講談社英語文庫/Kodansha English Library〉91、1993.1.
英文テクスト。巻末「Notes」瀬戸武雄(東京都立北多摩高等学校教諭)。
平田昭吾
文、高橋信也画 『かがみの国のアリス』ブティック社〈よい子とママのアニメ絵本 せかいめいさくシリーズ〉64、1993.3.
アニメ絵本。〔→
『ふしぎの国』
〕
稲木昭子・沖田知子 『アリスの英語 2 ―鏡の国のことば学― 』研究社、1994.6.
宗方あゆむ
訳、
マルカム・アシュマン
画 『鏡の国のアリス』金の星社、1995.4.
〔→ 宗方訳
『ふしぎの国』
(「90年代リスト」)〕
金原瑞人
訳 「『鏡の国のアリス』の世界へ」、《MOE》白泉社、1997.5.(19巻2号)
『鏡の国』全編を 5頁に圧縮した抄訳。「ルイス・キャロル没後100年記念」特集「『鏡の国のアリス』が誘う不思議な世界」のメイン・コンテンツ。 〔→ 金原訳
「ふしぎの国」
抄訳 (「10年代リスト」)〕
脇明子
訳
テニエル画『愛蔵版 鏡の国のアリス』岩波書店、1998.11.
カラー画は、8葉をハリー・G・シーカーが1911年に、残りをディズ・ウォリスが1995〜96年に彩色したもの。 巻末に「かつらをかぶったスズメバチ」、「『アリス』を愛してくださる子どもたちみんなへの復活祭のあいさつ」(1876.)。
→『鏡の国のアリス』〈岩波少年文庫〉048、2000.11.
〔→ 脇訳
『不思議の国』
(「90年代リスト」)〕
山形浩生
訳
HTML版、テニエル画 「鏡の国のアリス」
http://www.genpaku.org/alice02/alice02j.html
、2000.8.
「カツラをかぶったすずめばち」挿入版
http://www.genpaku.org/alice02/alice03j.html
→
スソ アキコ
画 『鏡の国のアリス』朝日出版社、2005.3.
スズメバチのエピソードが挿入されている。
→ 『鏡の国のアリス』CD、でじじ(digigi)(パンローリング(PanRolling)発売)、2017.6.
〔→ 山形訳
『不思議の国』
(「90年代リスト」)〕
工藤和代著『Making Book of Through the Looking Glass 鏡の国のアリス』日本ヴォーグ社〈Heart Warming Life Series〉、2003.12.
〔→
『不思議の国』
(「00年代リスト」)〕
河野騎一郎
監訳 「新訳 鏡の国のアリス」
バベル、2004.
電子出版。ワークショップ形式による翻訳で訳者は猪飼一夫・五郎谷洋子・竹内鈴夏・長野美樹・福本直美・牧田史子・早川有加・矢野麻理子・渡利美重子。 〔→ バベル
「新訳 不思議の国」
(「00年代リスト」)〕
安井泉
訳、テニエル画 『鏡の国のアリス』新書館、2005.12.
付、「かつらをかぶったスズメバチ」、安井解説「『鏡の国のアリス』について」、木下信一「チェスをしながら『鏡の国のアリス』を読もう」。
〔→ 安井訳
『不思議の国』
(「10年代リスト」)〕
久美里美
訳、
ヤン・シュヴァンクマイエル
画 『鏡の国のアリス』エスクァイア マガジン ジャパン、2006.12.
→国書刊行会、2011.2.
〔→ 久美訳
『不思議の国』
(「00年代リスト」)〕
河合祥一郎
訳
テニエル画 『鏡の国のアリス』〈角川文庫〉、2010.2.
→
okama
画 『
新訳
かがみの国のアリス』アスキー・メディアワークス(発売元 角川グループパブリッシング)〈角川つばさ文庫〉Eき1-2、2010.8.
→okama画 『100年後も読まれる名作 かがみの国のアリス』KADOKAWA(プロデュース アスキー・メディアワークス)、2016.7.
〈角川つばさ文庫〉版は“一部の漢字をかな表記に、むずかしい言葉を簡単な言葉に置きかえ、改行をふやし、ほぼすべての漢字に読みがなを”ふった。〈100年後も読まれる名作〉版はオールカラー抄訳。 〔→ 河合訳
『不思議の国』
(「10年代リスト」)〕
佐野真奈美
訳、
24
画 『鏡の国のアリス
新訳
』ポプラ社〈ポプラポケット文庫〉402-3、2015.9.
〔→ 佐野訳
『不思議の国』
(「10年代リスト」)〕
杉田七重
訳、
ロバート・イングペン
〔Robert Ingpen〕画 『鏡の国のアリス』西村書店、2015.12.
〔→ 杉田訳
『不思議の国』
(「10年代リスト」)〕
八木沢 敬
『『不思議の国のアリス』の分析哲学』講談社、2016.6.
巻末の詩、原典 5章「ジャムは一日おき」のくだり、6章ハンプティー・ダンプティーのエピソード、8章 白の騎士の歌の名前・呼び方の部分、5章 白の女王が「不可能なことを信じる」くだり、4章 赤の王様の夢、1章 ごっこ遊び、3章「名前がなくなる森」のエピソード、7章「無のひとが見える」というくだりの訳文が掲載されている。 〔→
『不思議の国』
リスト〕
萬里
(
まり
)
アンナ
文、
菟芽子
(
うはぎ
)
うの
画 『かがみの国のアリス』KADOKAWA、2016.6.
絵本。背および表紙(カヴァーと本体)には“角川書店”と記載。
芦田川祐子
訳 「鏡の国のアリス」、『
ポケットマスターピース11
ルイス・キャロル』〈集英社文庫ヘリテージシリーズ〉、2016.8. 所収
〔→ 芦田川訳
「不思議の国」
(「10年代リスト」)〕
十一
(
つなし はじめ
)
訳 「鏡の向こうのアリス」
http://tsunashihajime.g2.xrea.com/k/kagami_contents.htm
、2021.7.
サイト『WONDER FOREST』内のWeb翻訳。原作刊行150周年記念。「かつらをかぶったスズメバチ」のエピソードも組み込む。 〔→
「フシギの国」
(「00年代リスト」)〕
佐藤直敏
訳 『鏡の国のアリス ―アリスは大阪弁を話します―』
Kindle版
、販売 Amazon Services International,Inc.、2021.10.
〔→
『不思議の国』
〕
楠本君恵
訳、
ブライアン・パートリッジ
〔Brian Partridge〕画 『鏡の国のアリス』論創社〈RONSO fantasy collection〉、2022.1.
『鏡の国』刊行150周年記念の新訳(楠本訳は実際は2021年12月中旬刊)。 〔→
『不思議の国』
〕
小松原宏子
訳、
ミナリマ
〔MinaLima〕画 『不思議の国のアリス&鏡の国のアリス〈ミナリマ・デザイン版〉』静山社、2022.8.
仕掛け絵本だが全訳。 〔→
『不思議の国』
〕
堂本秋次
訳 『鏡の国のアリス アリス新訳』
Kindle版
、2024.3.
アリスの語り(一人称)による訳。自作翻訳の解説本『不思議と鏡の国々の言葉』Kindle版も出している。 〔→
『不思議の国』
〕
最終更新 2024年 8月18日
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