辻版アリスはリライトという以上に、まるで一種のパロディだが、徹底して稚気に満ちた言葉遊びは原典の一面を反映している(→私家本『Alice in Trash Basket』でも一部紹介しています)。
ニャロメやヒゲオヤジも活躍する『アリスの国の殺人』(辰巳四郎画、大和書房〈夢の図書館〉8、1981.4.→徳間文庫、1990.6.→双葉文庫〈推理作家協会賞受賞作全集〉42、1997.11.)は、80年代の幕開けを告げるメタ・ミステリだった。
渡辺茂編注『不思議の国のアリス/Alice's Adventures in Wonderland』北星堂書店、1975.2.